京野菜の新たな魅力を発信するisoismからお届け!
京野菜の新しい魅力を積極的に発信しているisoism(運営:五十家コーポレーション)さんからは、京野菜のおいしさをダイレクトに味わえるサラダセット2種と、京都のお漬もん文化が産んだ新しいスタイル“漬け野菜”をお届けします。
野菜づくりが盛んな亀岡市
isoismをはじめ、野菜料理を主軸にした飲食店を京都市内に6店舗運営している五十家コーポレーション。自社農園の専任スタッフが野菜づくりを担当し、新鮮な野菜を店舗に届けています。また自社農園だけでなく、約20の農園が協力農家として野菜を提供しているそうです。
今回訪ねたのはその協力農園のひとつ、桂農園さん。桂さんの畑がある亀岡市は京都府内でも特に野菜づくりが盛んな地域です。京都市に隣接する立地もあり、古くから京の京都に新鮮な作物を提供。今なお府内有数の穀倉地帯として高い生産力を誇る“京の台所”として知られています(亀岡市HPより)。
五十家コーポレーションの協力農家のひとり、桂さん。
豊かな自然の中で野菜づくりに励む若き農家さん。
広大な農地で季節ごとにさまざまな野菜を栽培
桂さんの野菜農園は、元々ご両親が“花農家”として花を栽培していた畑を引き継いだもの。農地は周辺一帯に約30枚。約2. 8ヘクタール(2万8000平方メートル)=東京ドームの敷地の約60%にあたる広大な面積を、繁忙期以外はほぼひとりで管理しているというから驚きです。また、季節によって収穫できる作物は変わるため、同時期に3種類程度の野菜づくりが同時進行。年間を通して10種前後を生産しているのだとか。
収穫した野菜は作業場に運び込まれ、パートさんによって出荷に向けた準備を行います。この日は赤や黄色、白(小かぶ)など、彩り豊かなかぶを丁寧に手仕事で洗浄していました。暑い夏も水が冷たい冬も、こうやってひとつひとつの野菜を丁寧に扱いながら出荷されていく。現地に足を運んだからこそ目にすることができた光景でした。
収穫したてのフレッシュな赤かぶ。
ひとつひとつ丁寧に出荷準備。
パートさんの手を介して、見違えるように美しく変身!
桂農園の皆さん。
信頼関係を築ける相手に野菜を提供したい
「農業で重要なのは供給(生産)と需要(出荷)のバランスの見極め。野菜づくりは天候や災害など生産量が不安定になる要素も少なくない。だからこそ、お互い(生産者とバイヤー)の立場を分かり合える関係でないとやりとりが難しいんです」と桂さん。物を売る、買うという単純な関係だけではなく、“自然の物を扱っている”ということを理解しあえている相手だとコミュニケーションがとりやすいのだとか。そのため、桂農園では市場を通さず、顔が見えて信頼できる相手と取引することにこだわっているそうです。
「その点、五十家さんは自分たちでも農園を持っていて現場をよく知っているので、お互いに良い関係を築けています」という桂さん。これに応えるように仕入れを担当する五十家の農園部長・宮内さんも「うちでは野菜を提供してもらっている農家さんを“契約農家”ではなく“協力農家”と表現しています。私たちも自社農園を持っています。でも桂農園さんに比べたら、規模はまだ1/100程度。だから、協力農家さんたちは五十家の運営を共に支えるパートナーなんです」と続きます。生産者とバイヤー、お互いの信頼関係がしっかりと結ばれている。これこそが五十家の各店舗でみずみずしい野菜がたくさん並ぶ理由なのでしょう。
五十家さんの農園や桂さんをはじめとする協力農園が育てた季節ごとの野菜たちは、今回isoismオリジナルサラダや漬け野菜になって皆さんのお手元に届けられます!
採れたての小松菜を頂きました。みずみずしくてしっかりとした風味が口に広がりました。
京の漬物文化に新しい風を吹き込む"漬け野菜”とは?
京都みやげの定番といえばお漬物。府内には数多くの漬物専門店が点在し、なかでもしば漬けや千枚漬け、すぐき漬けは“京都の三大漬物”と呼ばれ、全国的にも親しまれています。また、仏教系の寺院が多いことも野菜を使った “京漬物”が根付いた一因といえるでしょう。
長い伝統とともに京都の食卓には欠かせない存在となった漬物ですが、最近では時代のニーズに応えた新しい取り組みも生まれています。五十家コーポーションが運営するダイニングバー「isoism(イソイズム)」が提案する“漬け野菜”もそのひとつ。古くからある伝統的な「お漬けもん」の技法にとらわれない「新しい京都のお漬物」とは一体どんなものなのでしょうか。桂農園を後にした私たちはisoismの店舗を訪問しました。
漬物樽のオブジェと「漬」の字ののれんが目印。
店頭に並んだ収穫したての野菜たち。
「isoizm」は京都駅から北に徒歩5分ほどの場所、東本願寺のすぐ脇に店を構えています。新鮮な京野菜を様々な形で提供する五十家グループの中でも、“漬け野菜”をメインに据えるのが「isoizm」です。
店内のカウンター上には色とりどりの野菜が描かれています。
isoism店長の脇坂さん。
そもそも“漬け野菜”とは? そんな疑問に答えてくれたのは店長の脇坂さん。
「京都は元々お漬物の店が多い街。競合も多い中で普通の漬物をウリにしてもなかなか新規参入は難しいんです。そこで伝統的な製法だけにとらわれることなく、もっと色々な野菜を使って新しい漬け方を提案していけたら、というのが始まりでした」。
従来はご飯と合わせたり食事のシメとして食されたりすることが多かった漬物を、お酒のシーンにも合うようにと考えて開発されたそうです。また、塩分量が多いイメージが強い漬物ですが、もっとサラダ感覚で気軽に楽しめる立ち位置にしたいというのもコンセプトなのだとか。
どんなものでも漬け野菜に変身できる
「ランチには12種類のお野菜を使っていて、それぞれの特性に合う漬け方を考えて作っています。中華料理やイタリアンからインスパイアされてレシピができることもあるんですよ」野菜によって漬け方はさまざまですが、奇をてらうのではなく、野菜そのものの味わいが引き立つよう考案。季節を意識しながら「今手に入る野菜」を大切に漬けていくんだそうです。
どんなものが漬け野菜に向いているの? という問いかけにはちょっと意外な返答が。
「どんな野菜でも!」確かに店内のショーケースにはトマトやサツマイモなど、漬物のイメージからはちょっと遠い野菜も並んでいます。野菜に合わせるのは味噌や酒かす、麹にオイル、ワインなど。いわゆる漬物に対するイメージの枠組みを外し、野菜の個性に合うもので漬けるから、なんだって漬け野菜に変身するのです。
「中でもお客さんの反響が大きいのがトマト。真っ赤に熟したトマトを白ワインに漬け込んで、食べやすいように蜂蜜や砂糖で少し甘味を加えています。甘いトマトの漬物という意外性で驚かれる方が多いんですよ」。白ワイン漬けのトマトにはクリームチーズなどを合わせると、ちょっとお洒落なイタリアンに変身! 自由な発想が漬物の可能性を大きく広げているようです。
漬物文化が根付く京都だからこそ生まれた新たな野菜の楽しみ方。ぜひ試してみてくださいね。
色とりどりの野菜が店内で漬けられています
漬物樽の照明が印象的な2階フロア。