大切な方に長崎の本物の味をどうぞお届け下さい。
手づくりの歴史をかさねて、馥郁と。
カステラ本家福砂屋は、寛永元年(1624年)の創業以来、今日まで永きにわたり、カステラをつくりつづけてまいりました。
かつて東と西の文化の出合いのひとつとして誕生したカステラ。
その手づくりの古法を変えることなく守ってまいりました。
古きを尊び新しきを創造する事を旨としてつねに創業の心への原点回帰の一方、時代の声に耳を澄ませ、創意工夫を支えにして時をつないでまいりました。
これからも、心と心をつなぐ、真心をこめた本物の味わいをお届けいたします。
ひとつひとつのカステラが、永い時を経て会得した[手わざ]によるもの。
寛永元年(1624年)の創業以来、一貫して不変のものがあります。手づくりによる製法です。その手づくりの支柱となるのが、職人の[手わざ]です。
永い時の積み重ねのうちに鍛え抜いて会得した技術といえるものです。
- 別立法。白身の泡立てに[手わざ]の真価。
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カステラのしっとりとしたおいしさを決めるのは、ひとえに卵の泡立てにかかっています。
泡立てには、別立法と共立法とがあります。
別立法とは、厳選された卵を手割りで白身と黄身に分け、職人の[手わざ]によってまず白身を十分に泡立て、その後に黄身と双目糖を加え、さらに撹拌するという手間のかかる製法をいいます。
一方、共立法はミキサーで卵やその他の材料も一緒に撹拌してしまいます。
福砂屋は、この手間のかかる別立法をかねてより確立し、手立ての泡の良さから生まれるふっくらとしたカステラをつくってまいりました。
かおりほのかに、味わいしっとり。生地づくりが基本。
別立法によってしっかり泡立てられた白身をもとに、黄身、双目糖、上白糖、水飴そして小麦粉と順次混合撹拌して、入念に生地をつくっていきます。
季節や天候によって温度や湿度も微妙に異なるので、それに合わせて細心に調整した生地づくりが必要です。
焼き上げてからは、一昼夜熟成させ、甘みの戻りといいますが、さらに甘みとコクを引き出していきます。その後にきびしい検査を経て、製品として初めてお客様の前にお目見えすることができます。しっとりとして馥郁としたこの味わいは、なによりも生地づくりに基本があります。
- 一人一貫主義。
ひとりの職人が、最後まで仕上げる責任。
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かつて手づくりの古法は、炭釜(引き釜)と呼ばれる炭火を用いる釜で焼くことに象徴されておりました。
丹精こめて撹拌した生地を炭釜に入れ、釜の中と釜の上蓋においた上下の炭火でじっくりと焼き上げていきます。まるでわが子を慈しみ育てるように、ひとつひとつのカステラに手間をかけます。さすがに電気釜を用いる今とはなりましたが、あとはすべてが古法のまま。卵の手割りに始まり、泡立て、混合、撹拌、焼き上げまで、一人の職人がつきっきりで仕上げていきます。
それを一人一貫主義と呼んでいます。時代の逆を行くこのような手間のかけ方から、ふくよかな味わいが生まれます。